ドクターズアドバイス ちゃんと眠れていますか?

寝る前の習慣を変えて
「深睡眠(しんすいみん)」を手に入れよう!

この先生に聞きました
医療法人RESM 理事長 白濱龍太郎(しらはま・りゅうたろう)

医療法人RESM 理事長

白濱龍太郎(しらはま・りゅうたろう)

医学博士・認定産業医。筑波大学卒業、東京医科歯科大学大学院統合呼吸器学修了。2013年に「RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」を設立。また、慶應義塾大学特任准教授、福井大学客員准教授、日本オリンピック委員会強化スタッフ、ハーバード大学公衆衛生大学院客員研究員などを兼歴任。テレビ番組などメディア出演のほか、著書も多数。

「寝ても疲れが取れない」「眠りが浅い」など、多くの人が抱えている睡眠の悩み。
眠りのメカニズムと快眠のための対策を、睡眠を専門とする白濱龍太郎先生に伺いました。

眠りの前半に訪れる「深睡眠」が体を修復!

 睡眠には記憶の整理や定着を行うレム睡眠と、脳や体を休めるノンレム睡眠があります。これらが交互にリズムよく訪れるのが、いわゆる“質の良い睡眠”です。特に眠りの前半にもっとも深いノンレム睡眠「深睡眠」が一定時間確保されると、疲れが取れやすく快眠につながります。

「深睡眠」をとるための習慣とは?

 人は深部体温が下がるときに眠くなります。就寝時間の1〜2時間前に入浴やストレッチなどで深部体温を上げておくと、ベッドに入るころには体温が下がり、スムーズに眠りにつきやすくなります。寝る前はテレビやスマホなど、交感神経を刺激するものを控えるとより効果的です。

「深部体温」の調整で深い眠りにつきやすく

 夜中に目が覚めるなど、ぐっすり眠れないのは、年齢とともに睡眠ホルモンと言われるメラトニンの分泌量が減ることが原因のひとつ。睡眠ホルモンが減るとスムーズに入眠ができない上、深く眠れなくなります。でも、あきらめる必要はありません。工夫次第で快眠を得ることは可能です。

 睡眠には大きく分けて記憶の整理や定着を行う「レム睡眠」と、脳や体を休める「ノンレム睡眠」があり、一晩の間に交互に繰り返しています。快眠にはこの2つがリズムよく訪れることと、ノンレム睡眠の一番深い段階「深睡眠」がとれることが重要です。深睡眠時は細胞の再生や免疫に関わる成長ホルモンが分泌されて体を修復するので、健康維持にもつながります。ところが、深睡眠は上のグラフのとおり眠りの前半にしか訪れません。睡眠は長く眠るよりも、最初に深く眠ることが大切なのです。

 そこでおすすめしたいのが、内臓や脳など体の深部の体温「深部体温」の調節です。人は深部体温が下がると眠気が出てきます。就寝の1〜2時間前に入浴やストレッチで深部体温を上げて、寝るときに下がるようにすれば、スムーズに入眠でき、深い眠りにつきやすくなります。さらに、寝る直前に手足の血流を促して体温を表面から逃がすと、深部体温がより下がりやすくなります。その際ゆっくりと深い呼吸を行うと、副交感神経が高まりリラックスできます。

 十分な睡眠がとれないと疾患のリスクも高まります。ぜひ、ストレッチを寝る前の習慣にしてみてください。

深い眠りにつきやすくなるストレッチ

寝る1~2時間前に!

深部体温を上げる「腕まわし」

1~3を5~6回、ゆっくりと繰り返しましょう。肩甲骨や腕まわりを刺激することで、深部体温が上がります。

  • 1

    体の前で両手を組み、手のひらを前に向けて、腕をまっすぐ伸ばします。

  • 2

    腕を伸ばしたまま、組んだ手を頭の上に持っていき、2秒間キープ。

  • 3

    組んだ手を離して円を描くように腕をまわしながらゆっくり下ろします。

寝る直前に!

深部体温を下げる「足指曲げ」

1〜2を5〜6回、ゆっくりと繰り返しましょう。足の血行が良くなることで深部体温が下がり、深い眠りに入りやすくなります。

  • 1

    仰向けに寝て、鼻からゆっくり息を吸いながら足首を手前に向け、ふくらはぎを伸ばします。息を止めて3秒間キープ。

  • 2

    口からゆっくり息を吐きながら足の力を抜いて、足首を元の位置まで戻します。