急激な温度変化を避けて
ヒートショックを予防しよう!
東京都市大学人間科学部 教授
早坂信哉(はやさか・しんや)
医学博士、温泉療法専門医。自治医科大学医学部卒業、自治医科大学大学院医学研究科修了後、浜松医科大学准教授、大東文化大学教授などを経て現職。日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。25年にわたり7万人以上の入浴を調査してきた、入浴や温泉に関する医学的研究の第一人者。「お風呂ドクター」とも呼ばれ、テレビやラジオ、新聞、講演など多方面で活躍中。
全世代にリスクがあるヒートショック
寒い季節に心配なヒートショックは、高齢者だけでなく若い世代にもリスクがあります。その原因と対策を、入浴に関する医学的研究の第一人者、早坂信哉先生に伺いました。
ヒートショックには「山型」と「谷型」の2種類ある!?
暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室に移動することで血圧が上昇。その後お湯に入るとさらに上昇した後、血管が広がって血圧が急激に下がります。血管が硬くなっている高齢者には大きな負担となり、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす原因になります。
お湯の中では血圧は低くなります。浴槽から出ようとして勢いよく立ち上がると、水圧から解放されて一気に血管が広がり、血圧が急降下して立ちくらみなどを起こします。どの世代にも起こる可能性があり、特に飲酒後の入浴や長風呂は要注意です。
寒い時期の入浴、ヒートショックに要注意
ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧が大きく変動して起こる健康被害のことです。特に寒い時期の入浴時に多く見られます。
主な原因は部屋との温度差。入浴時、暖かい部屋から寒い脱衣所に移動して服を脱ぐ際に血圧は急上昇します。次に熱い湯につかると、熱さでさらに血圧が上昇した後、今度は血圧が急降下するのです。これを「山型ヒートショック」といい、血圧の変動が血管に大きな負担をかけるため、若い人に比べて血管が硬くなっている高齢者は、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすリスクが高まります。
とはいえ、若い人でも油断は禁物。お湯につかっているうちに頭がボーッとする「のぼせ」や、湯船から立ち上がるときにクラッとする「立ちくらみ」の経験をされた方もいるのではないでしょうか。実はこれらは、血圧が下がりすぎる「谷型ヒートショック」の症状です。のぼせや立ちくらみはたいしたことはないと考えがちですが、倒れたはずみに頭を打ったり、湯船で溺れたりするなど事故につながる危険性があります。
対策としては、まず部屋間の温度差を小さくすること。脱衣所に小型暖房機を設置したり、浴室をシャワーなどであらかじめ温めておいたりすると良いでしょう。また、湯船に入る前にかけ湯をする、上がるときはゆっくり動くなど、急激な血圧の変化を防ぐのも効果的です。
入浴には多くの健康効果があり、心身のリラックスにもなります。ヒートショックに気をつけながら、安全に入浴を楽しんでください。
ヒートショックを防ぐ入浴習慣
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脱衣所と浴室を
温めておく入浴前に脱衣所や浴室をあらかじめ温めておきましょう。各部屋の温度差を5度以内にするのが理想です。
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湯船に入る前に
かけ湯をする
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お湯を心臓から遠い足先からかけ始め、少しずつ体全体に広げていくと、血圧が急上昇するのを防ぐことができます。
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湯温は40度で
入浴は10分以内にお風呂のお湯が40度を超えるとヒートショックの危険が高まります。また、40度以下でも10分以上の長風呂は体に負荷がかかるので避けましょう。
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サウナの水風呂に注意
最近人気のサウナもヒートショックのリスクが高いので要注意。特に暑いサウナ室から水風呂に入ると、血管が締まって血圧が急上昇します。水風呂の代わりに、ぬるめのシャワーにするか外気浴に留めるのがおすすめです。


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